韓国映画界の巨匠パク・チャヌク監督の最新作『仕方ない(어쩔수가없다)』の衝撃的な物語が話題を集めています。名優イ・ビョンホンが平凡な一家の主を演じ、彼が一線を越えていく冷徹な心理描写に引き込まれる、予測不能のサスペンスです。
👨💼 25年の忠誠を裏切られた男の転落
主人公は、製紙会社で25年間勤め上げ、妻と二人の子供と共に満ち足りた日々を送っていたベテラン社員、ユ・マンスです。しかし、会社から突然「どうすることもできません」という冷酷な一言と共に解雇を言い渡され、彼の人生は一瞬にして崩壊します。
家族を守るという使命感のもと、マンスは必死に再就職を目指しますが、厳しい現実と住宅ローン、そしてプライドが打ち砕かれる屈辱に直面します。
💀 狂気へと駆り立てる「席を作る」という決意
追い詰められ、極度の絶望に陥ったマンスは、やがて倫理的な一線を越える恐ろしい決断を下します。
それは、自分こそが最も適任だと確信する再就職先のポストを確保するため、競争相手となるライバルたちを排除するという手段でした。彼は偽の求人広告を利用し、自分より若く、優秀な競争相手を次々とターゲットに定めていきます。
妻ソン・イェジンも巻き込む犯罪の連鎖
マンスの狂気的な計画は、予期せぬ人物たちを巻き込みながらエスカレートしていきます。彼の妻であるミリ(ソン・イェジン)は、夫の秘密を知りながらも、家族を守るために共犯ともとれる行動をとります。
本作は、個人の崩壊が社会構造の病巣と密接に結びついていることを示唆し、観客に深い問いを投げかけます。平穏な日常が崩れた時、人間はいかにして怪物へと変貌していくのか。その避けられない運命を描いた、衝撃のクライムサスペンスです。
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